ぐんまワンデーローカルパスについて

JR東日本で発売していた紙のきっぷ「ぐんまワンデーパス」が2024年3月で終了してしまった。 これはJR・私鉄問わず群馬県内の鉄道は全線、埼玉と栃木の一部も含めて乗り降り自由になるきっぷだった。

平日休日関係なく通年利用でき、廃止時点ではJRなら自動改札も利用できる便利なきっぷだった。

JR前橋駅

これと並行して前橋市とJRが主体となって2022年からデジタルパス「ぐんまワンデーローカルパス」が発売されていた。

この「ぐんまワンデーローカルパス」、現在は群馬県が主体のMaaS事業「GunMaaS」で発売されている。

MaaSの情報は意識していないとなかなか入って来ないが、このきっぷはJR東日本のおトクなきっぷを検索していると出てくる。 通年販売はしていない茨城で使える「ときわ路パス」も発売している期間内なら出てくる。

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で、このぐんまワンデーローカルパス、1日限り有効で値段は大人2500円。 使い方によってはおトクで、よく使っている首都圏の「のんびりホリデーSuicaパス」と値段が近い。

もう紙のきっぷは売っていないのでこちらを使うしかないのだが、磁気券とデジタルパスでは細かいところの特典が少し違ったのだが鉄道に関しては新幹線の乗車券として使えなくなっている所が一番の違いだろうか。

出典: GunMaaS https://lp.g3m.jp/

フリーエリアは群馬県内の鉄道全線と埼玉は高崎線の深谷以北、栃木は両毛線全線と東武伊勢崎線内全線、東武佐野線は佐野以南が乗り降り自由となる。 バスも2路線に乗れる。

群馬県内ではあるが東武日光線の板倉東洋大前駅では使えない。 ここは隣の駅が両方とも県外で、路線も群馬県を通るのはこの駅の前後だけなので。

あとは紙きっぷの時はJRのみ自動改札に対応していたがこちらはすべて有人改札でスマホ画面のチケットを提示して通過する。

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では購入してみるが、このGunMaaSのきっぷはスマートフォン専用なのでPCでは買えない。 買おうとするとQRコードが出てきて、これを読み込んでスマホで買えと出てくる。

アプリではなくウェブ。 アプリは2025年4月現在ない。 初めて使う時はこの画面。 トップ画面が尻切れになってしまったので少し上にスライド。

出てきた。 「今すぐ使ってみる」をタップ

いろいろと項目が出てくる。 ぐんまワンデーローカルパスを購入する時は「もっと見る」をタップ。

「チケット購入」が出てきた。 これをタップ。

すると一番上のGunMaaS乗りトクパスしか見えないのでスライドして画面下へ移動。

下の方にぐんまワンデーローカルパスの項目が出てくるのでこれをタップ。

説明文が出てくる。 購入してから100日間のどこかで利用できるらしいが、100日も放置してたら絶対に忘れる。 この画面も上へスライドして画面下へ移動。

ここまで来たら「購入へ進む」をタップ。

購入数を指定したら「確認へ進む」をタップ。

枚数・金額を確認したら支払い方法を選択。

クレジットカード決済の場合はクレカ情報を入力、モバイルSuica決済の場合はチャージ残高が不足していない状態で。 最後に「購入を確定する」ボタンの色が変わったらタップ。

これでチケットの購入が完了。 チケットホルダーを見てみる。

これがチケットホルダー。 チケット表示をタップしてみる。

これがチケット。 まだ使えない。 この状態で100日間保管できる。

そしてチケット使用日に中央の「使用開始」をタップする。 タップした時点でチケットが有効になるので後戻りできない。 使用しない日に間違ってタップしないように

有効期限に残時間が表示。 この画像だとあと19時間38分48秒有効。 これで使用開始されている。 鉄道の場合は有人改札でこの画面を提示(無人駅は車掌か運転士)。 バスはドライバーに提示する。

有効期限は24時間ではなくJRの他のフリーパスと同じく当日のみなので早い時間から使った方がおトク。 この画面では翌日の1:59が期限になっているが、これは高崎線下りの最終高崎着が1:14だからか。

ちなみにこのきっぷを使った日、この駅から乗車したのだが行きも帰りも駅員がいない時間だった。 一応チケット画面を監視カメラがありそうな方向に向けて通過したのだが、駅員がいない駅で自動改札を通らないので他のお客さんに不審そうに見られてバツが悪い。 「あれ、いないのか」とか他のお客さんに聞こえるように呟きたくなってしまう。 JRってこういう駅がけっこうあるのだ。 

フリーエリアマップを見ると東武鉄道を中心に周遊できる路線網になっているが、実際は群馬でもかなり東に偏った東毛エリア。 勿論、あしかがフラワーパークや小京都・栃木など見所はあるが(あ、どちらも群馬ではなかった)実際の群馬の中心は高崎市。 伊香保温泉も草津温泉も富岡製紙場も高崎か新前橋を経由しないと行けない。

高崎駅東口 この駅を経由しないと殆どの群馬の観光地へ行けない

で、伊香保も草津も富岡も高崎から行けるのだが、周回する路線がないのでそのまま他の場所へ周れない。 他へ行くためには高崎や新前橋など群馬の中心部か、上越線と吾妻線が接続する渋川へ戻って来ないとなのだ。 まあ伊香保から草津までは吾妻線1本で行けるが(バスに乗らないとだけど)。 

これは実際にきっぷを使った日のタイムラインだが、高崎線で高崎に行って上越線で沼田。 高崎に帰って信越線で横川。 また高崎に帰って上信電鉄で富岡に行って来た。 最後も当たり前だが高崎に戻って高崎線に乗って帰ってきたので1日に4回も高崎駅に降り立ってしまったのだ。

この動きを通常料金で見てみると

  • 岡部~沼田   1166円(IC)
  • 沼田~横川   1342円(IC)
  • 横川~高崎    506円 (IC)
  • 高崎~上州富岡  810円
  • 上州一ノ宮~高崎 910円 (上州富岡から上州一ノ宮までは徒歩)
  • 高崎~岡部    418円 (IC) 

合計で5152円。 まあろくに観光せずにこれだけ動けば元は取れるが、例えば東京方面から来て深谷で使用開始して伊香保温泉最寄りの渋川駅で降りて往復するだけでは片道858円なので元が取れない。 1日のうちに他の所を、だいたい高崎か新前橋まで戻って巡らないとなので予定をしっかり立てて出かけるのが良いと思う。

沼田城址、沼田公園の桜

元々このきっぷ、以前の紙のぐんまワンデーパスだが、これを使い始めたのは小山へ行くため。 深谷から小山までのんびりホリデーsuicaパスのエリア内なので休日はこれを使えるのだが高崎や前橋から乗車して小山へ行くとすごい金額になってしまう。

  • 岡部~前橋   594円
  • 前橋~小山   1518円
  • 小山~岡部   1980円
  • 計 4092円   

!! ちょっと・・今、これを書いてて気づいたが、岡部でなく深谷からだとどうなる。

  • 深谷~前橋    682円
  • 前橋~小山    1518円
  • 小山~深谷    1694円
  • 計 3894円

何てことだ。 「岡部~小山」と「深谷~小山」で運賃が286円も違う。 しかも高崎経由では遠くなる深谷の方が安い。 これは運賃が大宮経由で計算されていて、小山~深谷は100km以内だが小山~岡部は100kmを超えるのでこの値段になってしまう。 途中で改札を出なければ深谷で乗った方が安いのか、どっちみち通常運賃でこの区間は乗らないが。

上のルートを休日にのんびりホリデーを買って移動すれば2670円に神保原~前橋の418円が加算されて3088円。 帰りは寄り道しないで帰ればこの値段で済むが、当然だがぐんまワンデーローカルパスの方が安い。 平日でも使えるし。 深谷や小山の駅を利用する人間にはありがたい。  

小山市 須賀神社

こういうマニアックな使い方の方が使えたりするのだ。 定番観光地の草津まで電車とバスが使えるが、これは一日券なので往復すれば安いのだが草津で泊まって片道になると数十円だが通常運賃より高くなってしまう。

おススメなのは桐生駅が起点の旧国鉄足尾線第三セクター・わたらせ渓谷鐵道、通称「わ鐵」。 観光シーズンに運行されるトロッコ列車にはこのきっぷで乗れないが、駅のホームに温泉のある水沼駅や春に花桃まつり(3月か4月)が行われる神戸(ごうど)駅、7月頃にあじさいが咲き誇る沢入(そうり)駅など駅周辺で観光できたりする。

わたらせ渓谷鐵道神戸駅 花桃まつり

JR両毛線の本数が少ないが桐生まで時刻を調べてわ鐵に乗り換えれば通常運賃は結構な値段になる。 

  • 小山~桐生    990円
  • 桐生~神戸    740円

または桐生から西桐生駅まで歩いて普段乗る事のない上毛電鉄で赤城南麓の景色を眺めたり

  • 西桐生~中央前橋 690円

赤城駅 東武鉄道・上毛電鉄が乗り入れる

上毛電鉄とかマニアックでこういうきっぷを買った時でないと乗る機会がない。 沿線は仕事でさんざん運転したのだが電車に乗って風景を見ると感慨深かったりする。

安中市松井田町横川 旧中山道 ここまできて釜めし食べずに帰る自分が面白い

何かと使い方が難しいきっぷだが、県内の私鉄と3セクの乗り放題きっぷを見てみると

  • 上信電鉄     一日フリー乗車券    2260円
  • 上毛電鉄     赤城南麓1日フリー切符 1300円
  • わたらせ渓谷鐵道 お得な一日ふりーきっぷ 1880円 (栃木県域まで全線)

上記のきっぷのほとんどのエリアが「ぐんまワンデーローカルパス」のフリーエリアに入っている。 そう考えるとやはりおトクだ。 

但し、わたらせ渓谷鉄道は群馬県内の沢入まで。栃木県に入る沢入~間藤はぐんまワンデーローカルパスでは乗れないので気をつけてほしい。

上信電鉄上州一ノ宮駅 サファリパーク仕様の電車

JRと上記私鉄を組み合わせて、そこそこ忙しく移動すればおトクに使えると思う。 但しデジタルパスなので有人改札を通らなければならない。

自動改札ならギリギリの時間でも間に合うが有人改札はそうはいかない。 この日もそうだったが大概まごつくのだ。 人が多い駅だとヘタをすると行列になったりする。 予定を立てる時は改札で足止めになる時間も考慮しておくのをおススメしたい。

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